薬剤部
薬剤部の概要
従来から行っている服薬指導、調剤業務、無菌調製等の基本業務に加え、各種カンファレンス・ラウンドなどチーム医療に積極的に参加し、薬剤師ならではの観点からアプローチを行っています。そして平成25年に病棟薬剤業務実施加算の施設基準を取得後、すべての病棟に薬剤師(病棟薬剤師)を配置することで、薬物療法の有効性と安全性の向上を図っています。
また、人材育成を重要な課題と位置づけ、当院独自の「新人薬剤師マニュアル」を作成しました。新採用者・教育者の負担を軽減しつつも効率よく業務取得を達せられるよう工夫したプログラムです。さらに平成29年度は7名、平成30年度は13名(予定)もの薬学部長期実務実習生を受入れ、大学生の薬学教育にも力を注いでいるところです。
当院では政府の後発医薬品使用促進政策に基づき、積極的な使用に取り組んでいます。平成30年度には使用数量ベース比率で85%以上を要件とする、後発医薬品使用体制加算1を取得しました。
薬剤部の業務内容
1.調剤業務
医師の指示(処方せんなど)に基づいて患者さんの薬を作っています。調剤にあたっては、薬が適正に使用されるために、投与量や投与間隔、相互作用、配合変化等の問題がないか確認をしています。
また、服薬・投与間違い等を防止するために、一包化調剤や注射薬の1施用毎の払い出しを行っています。
薬の取り揃え 当院では約1,300種類の 医薬品を取り扱っています |
一包化調剤 必要に応じて1回に服用する薬を1包に分包しています |
注射薬の払い出し 投与間違いを防ぐために1施用毎にセットしています |
薬剤部窓口での服薬指導 薬の効き目や副作用などを説明しています |
2.注射薬の調製
抗がん剤や中心静脈用注射剤などについて、無菌的かつ安全に調製を行っています。 また、抗がん剤を適正に投与するため、全投与患者に対してレジメンチェックを行っています。
抗がん剤の無菌調製 安全キャビネット内で抗がん剤を調製しています |
抗がん剤のレジメンチェック 抗がん剤レジメンの投与量、投与間隔、投与速度等の確認を行っています。 |
3.病棟薬剤業務・服薬指導
患者さんが安心してお薬による治療ができるように、薬の投与量や薬剤選択が適切か、薬の効果が十分であるか、副作用の発現がないか等を患者さんのベットサイドに行き確認をしています。患者さんから得た情報は、医師・看護師と共有し、チームとして患者さんのフォローができるよう取り組んでいます。
また、患者さんが使用している薬の効き目や注意事項などを詳しく説明し、患者さんが安心して薬の使用ができるよう取り組んでいます。
病棟薬剤業務 病棟に常駐し、入院患者さんの薬が適切に投与されているかどうかを確認しています |
服薬指導 薬に関する説明を行うと共に薬の効果が十分か、副作用発現の 有無等を確認しています |
4.製剤業務
製薬会社で作られた薬では十分な治療ができない時に、病院でお薬を作り治療にあたる場合があります。それらの薬を作る作業を製剤業務といいます。
製剤は、色々な薬品を合わせて、塗り薬や坐薬、吸入薬、注射薬などを作っています。
院内製剤の調製 |
5.薬品管理
病院には、色々な病気の患者さんが来られます。治療に使う薬も患者さんの病気により異なります。
どのような病気の患者さんが受診されても治療ができるように、院内にある薬の品質や在庫の管理を行っています。
医薬品の管理 医薬品の在庫や品質の管理を 行っています |
6.DI業務(医薬品情報)
患者さんに安全な治療を行うためには、薬に関する情報を色々と理解しておく必要があります。薬剤師は、患者さんにより良い治療ができるよう、薬に関する情報をはじめ、病院で必要な医療の情報を医師や看護師などに提供しています。
また、医師より問い合わせがあった場合にすばやく返答ができるように、情報を整理し管理しています。
DI業務 医薬品に関する問い合わせに対して 情報提供を行っています |
採用医薬品リスト 使用できる医薬品のリストを 毎月更新して院内に提供しています |
7.チーム医療への参加
感染対策チームや栄養サポートチーム、がん委員会や緩和ケアチーム、医療安全委員会、各診療科のカンファレンス等に参加し、医療チームの一員として薬剤師の職能を発揮しています。
また、コメディカルメンバーを集め、研修発表や食事会など交流・親睦を深め、同じ意識のもとに医療に関わるように活動しています。
カンファレンスへの参加 |
8.夜間の救急対応
24時間対応で薬剤部業務(夜間は当直体制)を行っています。
9.災害時の医療活動(DMAT等)
DMATの一員として、災害時の救援活動に取り組んでいます。最近では、東日本大震災の救援活動に参加しました。
10.治験
新しい薬や医療機器についての効果や安全性を確認して国の承認を得ることを目的に実施される臨床試験を治験といいます。治験を行うことで、参加した患者さんへの治療のみならず、新薬を誕生させることによって、将来、患者さんが新しい治療を受けられることにつながると期待されます。当院では第Ⅱ・第Ⅲ相試験を実施しています。
【専門・認定薬剤師取得状況】(重複者含む)
日本病院薬剤師会 | がん薬物療法認定薬剤師 |
1名
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生涯研修認定薬剤師 |
17名
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生涯研修履修認定薬剤師 |
4名
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認定指導薬剤師 |
1名
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日本薬剤師研修センター | 研修認定薬剤師 |
5名
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認定実務実習指導薬剤師 |
3名
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小児薬物療法認定薬剤師 |
2名
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日本臨床腫瘍薬学会 | 外来がん治療認定薬剤師 |
1名
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日本緩和医療薬学会 | 緩和薬物療法認定薬剤師 |
1名
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日本静脈経腸栄養学会 | 栄養サポートチーム専門療法士 |
1名
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日本臨床薬理学会 | 認定CRC |
1名
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日本糖尿病療養指導士認定機構 | 日本糖尿病療養指導士 |
3名
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日本骨粗鬆症学会 | 骨粗鬆症マネージャー |
1名
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日本DMAT | DMAT隊員 |
2名
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(その他)
- 安田女子大学・広島国際大学臨床教授授与施設
臨床統計(29年度)
薬剤師数 |
19名
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入院処方箋枚数 |
86,792枚
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外来処方箋枚数(院外含) |
93,615枚
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入院注射処方箋枚数 |
133,294枚
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院外処方箋発行率 |
91.5%
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薬剤管理指導件数 |
13,269件
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がん患者指導管理料3 請求件数 |
199件
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病棟薬剤業務実施加算件数 |
22,234件
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病棟薬剤業務時間(一週間平均) |
27.8時間
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持参薬確認数 |
6,608件
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無菌製剤処理料請求件数 |
4,910件
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医薬品安全性情報報告件数 |
4件
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プレアボイド報告件数 |
9件
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後発医薬品使用数量ベース比率 |
91.4%
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後発医薬品使用金額ベース比率 |
51.1%
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一般名処方加算1・2 |
5,444件
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