心臓血管外科このページを印刷する - 心臓血管外科

診療内容・特色

東広島医療圏で心臓の治療を完結すべしという病院の考えの基に、平成13年4月心臓血管外科が開設されました。地域の皆様、スタッフのおかげで、心臓、大血管、末梢血管の手術に胸部、腹部大動脈のステントグラフト内挿術や末梢血管の血管内治療を加えて診療を行い、それぞれ症例数は増加傾向となっております。

心臓手術は、冠動脈バイパス手術では動脈グラフトの使用や体外循環を用いない心拍動下のバイパス手術(OPCAB)を積極的に導入しており、近年ではほぼ全例で体外循環を使用することなく手術を行っております。心臓弁膜症手術では、従来の機械弁や生体弁による弁置換手術に加え、特に僧帽弁閉鎖不全の症例では可能な限り自己の弁を修復する弁形成手術を行っております。

大動脈瘤手術は、胸部および腹部においてどの部位でも通常の人工血管置換手術は当院で手術が行える体制となり、成績も安定しております。急性大動脈解離や大動脈破裂症例も麻酔科や臨床工学技士、手術室の協力で可能な限り当院で対応しています。さらに2007年から腹部、2008年から胸部が保険適応となった大動脈ステントグラフト内挿術も当院では2009年から腹部、2012年から胸部の実施施設となり、適応症例には通常の治療として行えるようになり、症例数を増やしております。

閉塞性動脈硬化症については、自家静脈や人工血管を用いたバイパス手術に放射線科の協力で血管内治療を積極的に取り入れ、閉塞部位が複数存在する症例にはこれらを組み合わせたハイブリット治療を行い、できるだけ低侵襲に治療を行うようにしております。さらに潰瘍、壊疽を伴った症例では、創部の治療や植皮手術などに皮膚科の、四肢切断が必要な場合には整形外科の協力を得て治療を行っております。また、2013年に当院は脈管指導施設となり、生理検査室の技士が血管診療技士の資格も取得しました。今後バスキュラーラボ(血管生理検査室)を含めて血管診療を充実させていきたいと思っております。

下肢静脈瘤治療は、入院による手術療法を原則としており日帰り手術には対応できておりませんが、通常2泊3日の入院で治療を行っております。2014年より血管内焼灼術を導入しております。

心臓、大血管、末梢血管診療において2013年より心大血管疾患リハビリテーション施設基準を取得しました。心臓血管手術の術後や大動脈解離の保存的治療、閉塞性動脈硬化症の運動療法などにリハビリテーション科に参加頂き、看護師、薬剤師、栄養士など多職種での合同カンファレンスを行い積極的にリハビリテーションを行っております。その結果、早期離床が可能となり通常の心臓大血管手術では術後2~3週間で退院可能となっております。

以上の診療において、心臓症例においては循環器内科と密接な連携を持っており、必要に応じて円滑に治療の受け渡しが可能となっております。また、合併患者の多い糖尿病症例には内分泌・糖尿病内科(フットケア外来)、慢性透析症例には2013年より開設になった腎臓内科との連携など、今後も心臓血管疾患と関連が深い各科と連携し集学的治療を旨として診療にあたりたいと思っております。また、地域の先生方にはこれまでも御指導、御鞭撻を受けてまいりましたが、これからも共に地域医療の発展の一助となるよう努力いたします。

お知らせ

平成21年より当院において腹部大動脈瘤、平成24年6月より当院で胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術が可能となり、適応症例には胸部、腹部ともにステントグラフト内挿術を行っております。また、平成30年より下肢末梢血管に対するステントグラフト治療も行うようになりました。閉塞性動脈硬化症を含めた血管内治療に対応するため2012年より血管内治療外来を開設しております。平成29年からは透析患者さんのシャントに関連した手術を当科で行うようになりました。全症例を腎臓内科と連携し、新規、トラブル症例に対応しております。

医師紹介

診療部長 森田 悟(もりた さとる)

  • 日本心臓血管外科学会専門医
  • 日本外科学会専門医

昭和59年卒

平成10年4月より当センター勤務

医師 江村 尚悟(えむら しょうご)

平成26年卒

平成26年より当センター勤務

お知らせ

平成21年より当院において腹部大動脈瘤、平成24年6月より当院で胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術が可能となり、適応症例には胸部、腹部ともにステントグラフト内挿術を行っております。また、閉塞性動脈硬化症を含めた血管内治療に対応するため2012年より血管内治療外来を開設しております。