循環器内科このページを印刷する - 循環器内科

診療内容・特色

1)概要

東広島医療センター循環器内科では、1990年に心血管連続撮影装置を導入し冠動脈疾患の診断と治療を開始しました。現在、広島県中央二次保険医療圏内では唯一24時間循環器救急に対応しており例年多くの循環器救急患者を受け入れています。

2)診療対象の疾患

狭心症・心筋梗塞、頻脈性・徐脈性不整脈、高血圧症、心不全、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、心筋炎、肺塞栓症、肺高血圧症、大動脈解離など循環器疾患全般を診療の対象としています。

3)次のような症状を取り扱っています。

  • 血圧が高い
  • 安静時の胸が締めつけられるような胸痛、胸背部痛
  • 労作時の胸痛(安静で改善)
  • 動悸がする、脈が乱れる(脈が飛ぶ、急に脈が早くなる、脈のリズムがバラバラになる)
  • 急に意識を失った、または意識を失いそうになる
  • 階段昇降時の息切れ
  • 夜、横になって寝ると息苦しくなる、足もむくむ
  • 健康診断で心臓の雑音、心電図異常、胸部レントゲンで心臓が大きいと指摘された

4)診療機器

フィリップス社製心血管連続撮影装置、MRI撮影装置、マルチスライスCT撮影装置、ガンマーカメラ(心臓核医学検査)、心臓超音波検査装置、トレッドミル運動負荷装置、ホルター心電計、加算平均心電計、カテーテルアブレーション用装置(記録解析装置、電気刺激装置、高周波通電装置、三次元マッピングシステム(CARTOシステム、EnSiteシステム))などを備えています。

5)検査・治療

1 外来で行う検査

心電図、加算平均心電計
心臓の電気活動を体表面から記録し、観察します。

トレッドミル運動負荷心電図
心電図を取りながら運動してもらう検査で、狭心症や運動誘発性不整脈の検査です。

24時間ホルター心電図
24時間携帯型の心電図をつけてもらう検査で、その間の不整脈や狭心症の有無をチェックします。

在宅携帯型心電計
患者様が携帯し、胸部症状が出現したときに、心電図を記録できます。

心臓超音波検査(経胸壁・経食道)
超音波を用いて心臓の動きや血流を観察する検査です。

心筋シンチグラフィー
微量のアイソトープ(放射性同位元素)を用いた狭心症の検査です。

2 入院して行う検査・治療

心臓カテーテル検査および経皮的冠動脈形成術(PCI)
心臓カテーテル検査は,虚血性心臓病や弁膜症などの病気で心臓の状態を正しく評価して治療の方針を決めるために行ないます。心臓の筋肉に酸素を供給する冠状動脈に強い狭窄や閉塞が見つかった場合には検査に続いて治療(経皮的血管形成術)を行ないます。治療では,一般的に病変をバルーンで拡張しステントと呼ばれる金属の筒を留置します.当院では,主に手首の動脈からカテーテル検査を行なっているため検査後はすぐに体を動かすことが出来ます。心臓カテーテル検査や治療に用いられる道具は非常に進歩しており1時間程度で安全に行なうことが出来ます。

心臓電気生理学的検査およびカテーテルアブレーション
心臓電気生理学的検査とは、電位を記録する電極カテーテルを足や首の血管から心臓内に入れ、心臓のいろいろな部位での心電図を記録し、あるいは心臓を電気的に刺激する検査です。この検査により心臓のどの部位に電気系統の異常があるのか、また不整脈は心臓のどこから、どのようなメカニズムで発生するのか、といった情報が得られます。さらに、心臓電気生理学的検査で得られた情報に基づき、不整脈の発生源を熱で焼いて根治させる高周波カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)を行います。近年、このカテーテルアブレーションにより、多くの不整脈の完全治癒が可能となってきました。発作性上室性頻拍、心房細動、心房粗動、心室頻拍とほとんどの頻脈性不整脈がアブレーションの対象となりますが、詳細は主治医にご相談ください。心臓電気生理学的検査/カテーテルアブレーションは局所麻酔と必要に応じ静脈麻酔下で行い、検査・治療に要する時間はおよそ2-4時間で、治療の難易度によって異なります。通常3泊4日の入院で退院となり、以後の経過を外来で観察させていただきます。

デバイス植え込み手術(ペースメーカー、植え込み型除細動器、両心室同期ペースメーカー)
洞不全症候群や房室ブロックといった徐脈性不整脈に対して、ペースメーカーを植え込みます。ペースメーカーは、心臓に電気刺激を送り、正常なリズムで鼓動することを助ける医療機器です。 命に関わる頻脈性不整脈(心室頻拍や心室細動)に対しては、植え込み型除細動器(ICD)を植え込みます。致死的な頻脈発作を検出すると、本体からすばやく電気刺激を発生させ、突然死を防ぎます。 重症心不全症状に対する治療法として心臓再同期療法があります。この治療用の特殊なペースメーカーから電気刺激を左右両方の心室に送り、心室全体を同期させて収縮を促し心機能を高め、心臓のポンプ機能の改善をはかる治療方法です。機器には、両心室同期ペースメーカ(CRT-P)と、これに除細動機能が加わったCRT-Dの2種類があります。

6)診療実績

1 狭心症・心筋梗塞

当科では,1989年から心臓カテーテル検査,治療を開始しました。最近の心臓カテーテル検査件数は年間450例前後で推移しています。これまでに行なった心臓カテーテル検査は7000例を超えカテーテル治療件数も2200例に達しています(2011年4月現在)。カテーテル治療では,慢性期に生じる再狭窄が問題となっていましたが,2004年8月から薬剤溶出ステントを使用することが可能になり再狭窄の頻度は著しく減少しました。また,当院では24時間態勢で循環器救急を受け入れており,毎年60名前後の急性心筋梗塞患者が搬送されますが,到着後速やかに心臓カテーテル検査を行い責任冠動脈病変に対する血行再建を行なっています。発症早期に確実な血行再建を行なうことで心筋梗塞患者の予後は大きく改善しました。

2 不整脈

近年、不整脈のカテーテル治療(カテーテル・アブレーション)の進歩は著しく、多くの頻脈性不整脈の根治が可能になってきました。当院でも、2011年に、不整脈外来を開設、最先端のアブレーション設備を導入し、本格的な治療を開始しました。以後、アブレーション件数は年々増加し、この4年間で800例を超え、2014年のアブレーション件数は250例で広島県トップ3に入っております。徐脈性不整脈に対するペースメーカー植え込みも増加しており、また、2012年には、植え込み型除細動器(ICD) / 両心室同期ペースメーカー(CRT/CRTD)の施設認定を受けて、植え込みを開始しました。これら植え込みデバイス(ペースメーカー、ICD、CRT/CRTD)の2014年の手術件数は70例となっております。また、2012年、不整脈専門医研修施設に認定され、最先端の治療にあたっております。

7)専門外来

8)外来予定表

 

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

午前

初診

山里

小野

西樂

對馬

再診

對馬
西樂

小野

山里

小野・城

専門外来

不整脈外来

--

--

--

不整脈外来

午後

専門外来

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--

--

ペースメーカー外来

--

 

9)検査・治療予定表

 

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

午前

--

アブレーション

心筋シンチ
・アブレーション

ペースメーカー手術

--

午後

冠動脈造影・PCI

アブレーション

アブレーション

冠動脈造影・PCI

冠動脈造影・PCI

※但し緊急時には上記以外でも対応いたします。

医師紹介

診療部長 小野 裕二郎(おの ゆうじろう)

  • 日本循環器学会循環器専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本心血管インターベンション治療学会専門医

昭和61年卒

昭和61年 7月より当センター勤務

医長 城 日加里(じょう ひかり)

  • 医学博士
  • 日本循環器学会循環器専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本不整脈心電学会認定不整脈専門医

平成6年卒

平成21年8月より当センター勤務
 

医長 西樂 顕典(さいらく あきのり)

西樂 顕典 (akinori sairaku) - マイポータル - researchmap
  • 医学博士
  • 日本循環器学会循環器専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本不整脈心電学会認定不整脈専門医

平成13年卒

令和5年4月より当センター勤務

医長 山里 亮(やまざと りょう)

  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本循環器学会認定循環器専門医
  • 日本心臓血管インターベンション治療学会認定医
  • 臨床研修指導医
  • 浅大腿動脈ステントグラフト実施医(GoreViabahnEndoprosthesis)

平成14年卒

令和2年4月より当センター勤務

医師 對馬 浩(つしま ひろし)

  • 医学博士
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本循環器学会認定循環器専門医

平成18年卒

平成27年4月より当センター勤務

医師 東 昭史(ひがし あきふみ)

  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医

平成19年卒

平成29年4月より当センター勤務

レジデント 新山 敏信(にいやま としのぶ)

令和2年卒

令和4年4月より当センター勤務