血液内科このページを印刷する - 血液内科

診療内容・特色

血液内科は、主として血液細胞(白血球、赤血球、血小板)に関連した異常をきたす血液疾患の診療を行っています。具体的には、貧血(再生不良性貧血・赤芽球癆・溶血性貧血など)、急性白血病・慢性白血病・骨髄異形成症候群、骨髄増殖性腫瘍(真性多血症・本態性血小板血症・骨髄線維症など)、悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫・非ホジキンリンパ腫など)、多発性骨髄腫、特発性血小板減少性紫斑病、出血性疾患(血友病など)、血栓症などがあります。

現在、血液専門医の資格を有する常勤医師2名で診療にあたっています。無菌室4床造設され、より感染症リスクの低い環境で抗がん剤・免疫抑制療法を行うことができるようになりました。しかし、現在の体制ではまだ全ての患者さんに対応することは難しく、疾患の状態や経過などによってはより高い専門性も有する広島市の医療機関と連携しながら、診療を進めていきます。

血液疾患が疑われる場合、骨髄検査(図1(a))により、血液悪性腫瘍をはじめとする様々な血液疾患の診断が可能です(図1(b))。採取した骨髄液を染色体検査やフローサイトメトリー検査などの特殊な検査に提出することで、診断を補助します(図1(c))。

血液疾患では、疾患の進行に伴って、正常の血液細胞が減少し、白血球が少なくなって熱が出たり、赤血球が少なくなって動悸・息切れ・ふらつきなどの貧血症状が現れたり、血小板が少なくなって血液が止まらなくなったりすることがあります。これらに対する支持療法として、白血球を増やす薬や抗菌薬を用いた予防や治療、輸血療法などを組み合わせて行っていきます。また、他の病気に関連してでてくる血液の異常も多いため、関連ある診療科と連携を取りながら治療にあたっていきます。

症状が出る前に、血液検査の数値の異常や画像検査での異常が現れることが多いので、健康診断や開業医の先生に他の疾患で通院中に偶然に異常が発見されることがよくあります。そのような場合のほか、症状として、原因のはっきりしない貧血、出血しやすい、出血が止まりにくい、青あざができやすい、リンパ節の腫れ、原因不明の発熱や著明な発熱などがあった場合にも、気軽にご相談いただければと思います。

なお、かかりつけの先生方より紹介頂いた場合でも、疾患の内容によっては紹介元の先生方に再度相談の上、そちらで処方等を受けつつ、当科に数ヶ月ごとに受診いただくような併診対応を考慮する場合もありますので、ご理解をお願いいたします。
患者さんに少しでもお役に立てるように努力していく所存ですので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

図1.(a)骨髄検査

腸骨(左または右の腰骨の後ろ)に局所麻酔をした後、穿刺針で骨髄の血液や組織を採取します。 通常の組織学的検査の他に必要に応じて染色体検査・遺伝子検査・モノクロナール抗体を用いた検査を行います。

図1.(a)骨髄検査
(b)血液悪性腫瘍の診断
(b)血液悪性腫瘍の診断

(c)染色体検査
(c)染色体検査

医師紹介

部長 今川 潤(いまがわ じゅん)

  • 医学博士
  • 日本内科学会専門医・指導医
  • 日本血液学会専門医・指導医

平成10年卒

平成29年4月より当センター勤務

医師 粟屋 忠祐(あわや ただすけ)

  • 日本内科学会認定医
  • 日本血液学会専門医

平成23年卒

平成27年4月より当センター勤務