乳線・内分泌外科このページを印刷する - 乳線・内分泌外科

診療内容 特色

乳がん患者さんは欧米では、ずいぶん前から女性がん罹患率の第一位でした。日本でも1995年頃に女性がん罹患率第1位となり、以後も増加しています。乳がんの患者さんの60%は20歳代から60歳代までに発症します。この年齢層は働く世代、子育て世代で社会的に重要な役割を担う世代に該当します。よって、国民的にも乳がんについては非常に関心が高くなっています。

当科では乳腺疾患の専門的な診療を行います。乳腺疾患の診断は、マンモグラフィー、エコー、乳房MRI、細胞診、針生検、ステレオガイドマンモトーム生検、エコーガイドマンモトーム生検などの機器等を必要に応じ選択して行います。乳がんの治療は、手術療法・放射線療法・薬物療法といった治療法を組み合わせて行う「集学的治療」が基本です。当科は日本乳癌学会の乳腺専門医が常駐し、化学療法センター、放射線治療科、病理部と協力して専門的な診療をしています。

主に扱う疾患

乳腺疾患、甲状腺疾患、副甲状腺疾患の診断、治療を行います。

得意とする分野

ステレオマンモグラフィーガイドマンモトーム生検装置は、県内でもいまだ設置している病院は基幹病院でも少なく、当院は県内で最初に設置されました。マンモグラフィーの微細石灰化で指摘される、早期がんの診断に威力を発揮します。そのような病変はほとんど触知不能です。微細石灰化病変を3次元で読み取り、ピンポイントに生検する装置です。もちろんエコーガイドマンモトーム生検装置も機器が揃っており、十分な組織量を採取可能で、良性疾患 悪性疾患の鑑別診断をよりスムーズに行えます。

乳がんと診断された患者さんには、手術療法、放射線療法、ホルモン療法、化学療法、分子標的療法、必要時免疫療法を用いて標準治療を行います。
尚、当院の乳がん5年生存率が全国8位と報道されました。2009年2010年のデータです。国立がん研究センターが、2019年に全国のがん拠点277病院を対象に行った大規模調査です。貞本がほぼ一人で診療していた時期のデータです。資料1・2参照。標準治療には幅があります。病状を適切に判断し、手術を含め幅の中では患者様の希望があれば、やや厳しめの治療を選択しており、それで治療効果が高く出ていると思われます。

最近の話題

新しい乳がんの治療薬が次々と開発されています。ホルモン療法、化学療法 に加えて 新規の分子標的療法、免疫療法が使えるようになりました。
そして、遺伝子検査の進歩により、乳がんの原因遺伝子が少しずつ解明されています。アメリカの有名女優さんの、乳がん治療で一時有名になった、BRCA遺伝子はその1例です。対応する薬剤も開発されています。
また、各種の高額遺伝子検査も最近保険適応になったものもあります。
乳がんの5-10%は遺伝性であると言われています。そのデリケートな問題に伴う相談に対応する、遺伝子カウンセリング外来が開設されました。

手術 検査 症例数

医師紹介

部長 佐々田 達成 (ささだ たつなり)

  • 医学博士
  • 日本外科学会専門医
  • 日本乳癌学会専門医 指導医
  • マンモグラフィ読影認定医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医

平成14年卒
令和4年4月より当センター勤務
 

非常勤医師  貞本 誠治(さだもと せいじ)

  • 医学博士
  • 日本外科学会専門医
  • 日本乳癌学会認定医
  • マンモグラフイー読影認定医(A判定読影医)
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 臨床研修指導医修了指導医

昭和60年卒
平成12年6月より当センター勤務
 
専門分野:乳腺、甲状腺、副甲状腺、がん薬物療法
当院には広島県で最初に導入された、ステレオマンモトーム(乳房生検装置)があります。
検査困難な早期乳がん(微細石灰化症例)の発見に役立ちます。エコーガイドマンモトーム生検と合わせ、約1500例以上の経験があります。また2009年から2010年の乳がん5年生存率が、ステージ全体で当院は全国8位と、2019年報道されました。国立がん研究センターの資料にもとづきます。